【健康・栄養の質問:冷凍野菜は身体に良くない?】
- irodoridiet
- Jul 29, 2023
- 3 min read
スーパーが何百キロも離れていて、数週間分に一度買い出しに行く場合、生鮮食品はどう保存しますか?
冷凍庫や知恵を駆使して家族の為にお料理をされている質問者さんから、以下のようにご質問頂きました。

「家族の健康の為に、野菜と果物もたくさん食べさせてあげたいのですが、冷蔵庫保存できるのは一週間程度。
野菜や果物は冷凍しても栄養を保つことができるのでしょうか?
ブロッコリーやカリフラワーなどは茹でて冷凍していますが、冷凍食品のコーナーに売ってある野菜やフルーツでも栄養は摂れますか?」
御質問者様は、冷凍食品を使わない方針のご家庭で育たれたそうで、そのこともありご質問くださいました。
一般的に野菜・果物を摂るメリットは、ビタミン・ミネラル・食物繊維が沢山含まれるからです。これらは身体で合成ができない栄養素で食事から摂るしかありません。
ビタミン(23種類)・ミネラル(16種種類)は「からだの調子を整える」栄養素で、体温を調節したり、糖・脂質・タンパク質の代謝、神経の働きなど多岐に渡り、身体の状態を一定に保つために大事な栄養素です。
ご質問について以下の通り回答しました。
御質問者様のような環境の場合、私は冷凍野菜・果物をオススメします😁
日本の病院で栄養相談をしていた時も、価格が安定してる、カットしてある、少しずつ使えるので、日本でも一人暮らしの方には積極的に冷凍野菜を使うよう勧めてきました。
① 生鮮と比較して加工(加熱・冷凍)に弱い一部のビタミンが壊れてしまうので、その面で栄養価は多少落ちるものの、全てのビタミン・ミネラルの大半は保存されるので、食べないよりはずっと良いです。
② 糖・油脂といった栄養素は食物繊維の有無で吸収率が変わります。また栄養素の分解・代謝・体細胞の合成・維持にはビタミン・ミネラルが必須になります。そのため野菜が毎食あった方が、栄養の代謝がうまくいき、脂質や糖分の吸収率は下がるので太りにくいし、野菜が腸環境を整えるため消化不良や体調不良も起こしにくいと考えられます。
③ 加工技術(急速冷凍)が発達しているので、一番壊れやすいと言われるビタミンCでも8割程度残存するという報告があります。
(実はご家庭での茹で→冷凍は、その過程にどうしても時間がかかり野菜の細胞を壊してしまうので、実験比較では市販の冷凍野菜の方が、栄養価が高かったそうです。)
④ 冷凍野菜・果物は、旬の時期で沢山獲れたものを加工します。野菜・果物のビタミン含有量は、旬の季節に数倍上がるので、加工処理による損失とプラスマイナスを考えても、メリットはあるのではないかと思います。
⑤「冷凍食品は良くない」という意見も過去にありました。急速冷凍技術が発達する前は冷凍過程でできる細胞内の氷が、食品の細胞を壊してしまうので、栄養素だけでなく味・食感など全てが生鮮に比べて劣っていたこと、残留農薬の問題があったりしたことからかと思います。
私もオーストラリアの農業・加工に凄く詳しいわけではないので、残留農薬の程度などはちゃんとは分かりませんが、発展途上国と違いしっかり管理されているだろう前提のもと、国産限定で買っています。ぜひ一度オーストラリア産のブロッコリー・いんげんなど買って煮込み・炒め物などで調理してみてください。私はよくスープに野菜をたっぷり入れたり、ほうれん草カレーを作るのですが、そういう時に冷凍野菜は大活躍です。

生鮮と冷凍、どっちが良い悪いではなく、値段・旬・料理内容でフレキシブルに決めていって良いのではないかな、と私は思っています。
※ちなみに妊婦さんの場合、生で食べる可能性のある冷凍果物などはトキソプラズマ症やほかの食中毒のリスクがありますので、控えるようにしてくださいね。
Comentários